舟こぎ競争の伝統は南西諸島の多くの島々で見られ、それぞれに由来、呼称、舟の形、舟を漕ぐ人数などに違いがありますが、ここでは呼称の違いにのみ注目します。
沖縄では「ハーレー」または「ハーリー」と呼ばれ、奄美群島にもその呼称で伝来しました。
現在、奄美群島で舟こぎを「ハーレー」と呼ぶのは与論島と徳之島です。その二島に挟まれた沖永良部島では「くり舟競争」と呼ばれています。「くり舟」とは一本の木をくりぬいてつくった丸木舟を意味します。
そして奄美大島では江戸末期に「ハレブネ(ハーレー舟)」と呼ばれていた記録が残っていますが、今ではほとんど「舟こぎ」と呼ばれています。